検診で上唇小帯(じょうしんしょうたい)と指摘されたけど大丈夫?
揖斐郡にある、ますだ歯科です。
子供の歯科検診で上唇小帯付着異常と指摘されたけど大丈夫?と心配される親御さんは多いと思います。
お子様の上唇小帯付着異常と指摘される割合は7~8%存在しますが、割合が低い事もあり、過剰に心配してしまうのかもしれません。
そこで今回は、上唇小帯付着異常について紹介していきたいと思います。
目次
上唇小帯付着異常とは?
上唇小帯付着異常の前に上唇小帯から説明していきます。
上唇小帯とは上前歯の間、中心にある筋の名称です。
この筋が上前歯の歯と歯の間に入り込んでいたり、歯茎の頂点近くまで伸びている場合があり、この場合を上唇小帯付着異常と指摘されることがあります。
しかし、過剰に心配することはなく、低年齢であれば顎の成長とともに自然と改善する場合があります。
また低年齢では上唇小帯が太い、長いと言ったことはよくあり、こちらも顎の成長と共に自然と改善していきます。
もしも成長しても上唇小帯付着異常が改善されない場合は注意する必要があり、場合によっては治療も視野に入れなければいけません。
成長して改善しない場合は?
成長といっても判断のタイミングは重要です。
タイミング的には前歯の永久歯が生え変わる6~7歳程度を目安にしてください。
この頃になっても上唇小帯の改善が見込めない場合は上唇小帯の切除が必要になる場合があります。
切除と聞くと切るのは心配と思われるかもしれませんが、処置自体は簡単な部類に入るので、ご安心下さい。
処置の流れはまず、麻酔を行い、小帯に切れ目を入れ硬い部分を切除します。その後止血を行い縫合、約1週間後に抜糸を行います。
術後は経過観察を行い、後戻りしていないことが確認できれば完治になります。
改善しない上唇小帯付着異常を放置したらどうなる?
そのまま放置してしまうと様々なリスクを伴う可能性があります。
具体的なリスクとしては、永久歯に生え変わっても歯と歯の間に上唇小帯が入り込んでいると隙間ができてしまい、すきっ歯状態になり歯並びに悪影響を与える可能性があります。
その他にも、歯茎と歯に隙間があることで、ブラッシングやフロスがしづらく虫歯や歯周病などのラブルを誘発することもあります。
そして、上唇小帯付着異常の状態によっては発音障害や唇の開閉不全などにも繋がる恐れがあります。
検診で指摘されたことのある親御さんは自己判断せずに6~7歳のタイミングで必ず歯科医師に状況を判断してもらいましょう。
指摘された時点で何かできることはある?
成長と共に改善する場合がほとんどとは言っても100%大丈夫と言うわけではないのも事実です。
どうしても心配という方は口腔内のストレッチなどを続けることで改善する可能性があります。
ただし、生え変わる前の段階でのみ有効で、生え変わった後ではストレッチではどうにもなりません。
※ストレッチ自体は、小帯を傷つける可能性があるので具体的な方法などはかかりつけの歯科医院に相談してみましょう。
上唇小帯付着異常によるすきっ歯は治る?
生え変わり前の段階に切除することで上唇小帯付着異常が原因で起こるすきっ歯を避けることは可能です。
しかし、生え変わった状態ですきっ歯になっている場合は切除したとしても自然にすきっ歯が治ることは難しく、矯正治療で改善する場合が一般的です。
切除すると顔つきが変わる?
上唇小帯の切除で顔つきが変わる可能性はごく稀にあります。
切除することでつっぱりがなくなり、笑う時に口角が上がりにくくなったり、ガミースマイルになったケースが報告されています。
そのため、必ず切除をすすめるのではなく、上唇小帯付着異常のリスクをお伝えし、患者さんの要望を聞いた上で最終手段として切除が行われています。