揖斐郡にある、ますだ歯科です。

以前に重曹で歯磨きといったブログをUPしましたが、今回は「塩で歯磨き」についてです。

塩で歯磨きを行うことについては、聞いたことがある方は多いと思いますが、実際どんな効果があるのかなど、詳しく知らない方がほとんどだと思います。

現在ではほとんどの方が歯磨き粉で歯は磨いていますが、昔は塩で歯を磨いた時代もありました。

そこで、塩で歯を磨くとどんな効果があるのか?現代でも塩で歯を磨くのはありなのかをお話ししていきます。

「重曹で歯磨き」についてはこちら▷▷▷

目次

塩で歯磨きの効果は?

塩には殺菌作用があると聞いたことのある方は多いかもしれませんが、実際塩に殺菌作用があります。現代でも歯磨き粉の成分の中に塩を配合した歯磨き粉があります。

塩による浸透圧で歯茎の中の老廃物を排出し、新陳代謝を促すと共に、歯茎の引き締め効果が期待できるため、歯茎の炎症を抑えたり、歯周病予防につながります。

また、虫歯予防には唾液の分泌量も関係してきます。口腔内はもともと中性に保たれていますが、食べ物や飲み物を摂取することで酸性に傾き、酸性に傾くことで虫歯菌が増殖を始めます。

しかし、唾液にはpH緩和作用というものがあり、酸性に傾いた口腔内を中性へ戻してくれます。その他にも唾液には再石灰化や自浄作用と言った効果もあり、唾液の量が増えることで虫歯予防につながりますが、塩には唾液を促す効果もあります。

他にも、塩は研磨作用が強いため、歯垢を落としたり、歯の軽い着色汚れなども落とすことができます。

塩で歯磨きは良いことばかりではない?

塩で歯磨きの効果を聞くと良いことづくしと思われるかもしれませんが、デメリットもあります。そして、そのデメリットが歯科医師が塩で歯磨きをすすめない一番の理由にもなります。

効果では研磨作用をお伝えしましたが、研磨作用が強いということは、少なからず歯が削れる可能性があるということです。

数回程度であればそこまで問題視する必要はないかもしれませんが、歯磨きは毎日行います。

一般的には13回行う歯磨きを毎回塩で磨いてしまえば徐々に歯が削れていき、歯茎を傷つけてしまう可能性さえあります。

そして、殺菌作用についても塩で殺菌作用を得るには大量の塩が必要になるため、あまり効果が期待できなかったり、歯茎の炎症がひどい場合は逆効果だったりもします。

塩で歯磨きは実際あり?

結論からお伝えするとおすすめしません。

もちろん、虫歯予防や歯周病予防と言った面では良いのですが、研磨作用というデメリットがあまりにも大きいからです。

現代ではいろいろな種類の歯磨き粉が販売されており、ご自身に合った歯磨き粉を使用する方が、メリットがあると言えます。

わざわざ塩を使用する必要がないのではないでしょうか?

そして、予防とは別の理由で塩を歯磨き粉の代わりに使用している方もいます。それは歯の着色汚れを落とすためです。

効果で着色汚れが落ちることをお話ししましたが、着色汚れを気にしすぎて強く磨いたり、何度も磨くと歯が傷つき、細かい傷や溝が生まれ、逆に着色しやすくなります。

また、歯の黄ばみには遺伝や薬の作用といった場合もあり、歯の表面を研磨しても黄ばみが落ちない場合もあります。

まとめ

いかがだったでしょうか?

塩で歯磨きを行うにはメリットよりもデメリットの方が大きいと考えています。ご自身の健康的な歯を少なからず削ってしまうと考えれば、そのデメリットの大きさも理解できるのではないでしょうか?

それに、虫歯予防や歯周病予防にはフッ素塗布が最も有効と言えます。歯磨き粉にフッ素を配合された商品はいくつもあります。わざわざ塩を使う必要はありません。

着色汚れに関しても、ご自身で判断するのは危険と言えます。

基本的に着色汚れは歯科医院に相談することをおすすめします。

ますだ歯科