揖斐郡にある、ますだ歯科です。

癒合歯って聞いたことありますか?お子様の歯の治療を行なっていると度々癒合歯の子を見かけます。癒合歯自体あまり知らない方も多いのではないでしょうか?

今回は検診でも指摘される癒合歯についてご紹介します。

目次

癒合歯とは?

通常別々に生えてくるはずの2本の歯が、くっ付いた状態で1本の歯として生えてくることを言います。乳歯、永久歯関係なく癒合歯は生えてくる可能性がありますが、乳歯の方が発生率は高く、複数箇所できるケースもあります。

癒合歯は2本の歯が1本として生えてきているため、全体の歯の本数は通常より少なくなります。

癒合歯をそのまま放置するとどうなる?

結論からお伝えすると、癒合歯の歯そのものに大きなトラブルが起こる可能性はほとんどありません。しかし、放置することで結果としてトラブルを引き起こす可能性が高まります。どのようなトラブルが考えられるのか見ていきましょう。

・永久歯の本数減少

癒合歯みたいに結合した歯の場合は乳歯1本とみなされます。永久歯はもともと生えている乳歯の存在を確認してから形成されるため、永久歯は乳歯に対して1本しか形成されず、通常よりも1本永久歯が減る可能性があります。必ずしもそうなるといった訳ではないですが、50%程度の確率と言う研究発表がされています。

・生え変わり時期に注意

乳歯から永久歯への生え変わりは通常、永久歯が生えてくる過程で乳歯の歯根が吸収され、自然と抜け落ち、永久歯へと生え変わりますが、癒合歯の場合は2本がくっ付いた状態なので、通常よりも上手く吸収されず、自然と抜け落ちない場合があります。

状況によっては抜歯が必要になる場合もあります。

・虫歯に注意

歯と歯が結合している部分は凹んで溝になっています。正常な歯に比べて汚れやプラークが溜まりやすくなります。また、特に裏側は見えにくく、溝が深くなる場合が多いため、虫歯へのリスクが高まると言えます。

・歯並びに悪影響

癒合歯は、歯と歯がくっ付いている分、歯2本分の大きさがあると思われるかもしれませんが、そうではなく、癒合歯の乳歯が生え替わる際に、もし永久歯が2本生えてきた場合は生えるスペースが狭く圧迫されてしまい、綺麗に歯が並ばない可能性があります。

永久歯が2本ではなく、1本の場合はキレイに並ぶ可能性があります。

癒合歯になる原因

正直にお伝えすると癒合歯になる原因はいまだ分かっていません。

現状では胎児期の歯胚が作られる時に隣の歯胚とくっ付くことが原因と言われ、母体の遺伝や健康状態が原因ではないかとの見解もあります。しかし、上記の要因がない場合でも癒合歯になることが確認されているため、実際には分かっていないとお伝えするのが正しいかと思います。

治療法

行う処置としては結合部分は汚れが付着しやすいため、定期的にフッ素塗布をおこない、溝が深い場合はシーラントで溝を埋める処置を行ます。

基本的には虫歯を予防をする治療になります。

しかし、生え変わる永久歯の本数や歯並びに悪い影響を与える可能性があるため、生え変わりに備えてある程度の年齢になれば、レントゲン撮影など、歯科医師の検診を受けましょう。

ますだ歯科